社会人の中には、ビジネス書やセミナーで学び、「自分を成長させたい」という思いがある人も多いのではないでしょうか?
そこまで強い思いがなくても、純粋に本屋さんのビジネス書コーナーは、タイトルを眺めているだけでもいろんな主張があって楽しいですよね。
今日は、ビジネス書部門で40万部を超えるベストセラーとなった『アウトプット大全』という本をご紹介します。
長いので略していますが、正式には「学びを結果に変えるアウトプット大全」という書名です。
この本は「時間管理、インプット、アウトプットの達人」である著者が、どうしたらインプットしたことを自分の知識として定着させることができ、さらに自分を成長させることができるのかについて書かれた本です。
2018年発行の本ですが、まだこの本を読んだことがない人に向けて、本の概要をざっくりと解説した『超要約』と、重要部分の解説を自分の感想を織り交ぜて書いてみたいと思います。
では、さっそくいってみましょう!
『学びを結果に変えるアウトプット大全 』の著者、樺沢紫苑さんとは
著者の樺沢紫苑さんは精神科のお医者さんですが、一言でいうと、著者は「インプットとアウトプットの達人」、いや「鬼」です。
アウトプットの鬼はこんなことを日常的に行っておられます。
・メルマガ、毎日発行13年
・Facebook、毎日更新8年
・YouTube、毎日更新5年
・毎日3時間以上の執筆11年
・年2~3冊の出版、10年連続
・新作セミナー、毎月2回以上9年連続
この本を読み始めた人が、いきなりこれをマネしてはいけません。
というか、まずマネできません。
しかしこの本を最後まで読めば、少しだけ、一部だけでも真似をしようという気になると思います。
本の後半にも出てきますが「危険領域」ではなく「学習領域」から始めるのがベストです。
この話は後ほど。
『アウトプット大全』に書かれていること【超要約】
この本を読むと以下のようなことがわかります。
書かれている内容を大きくグループ分けすると3つです。
①アウトプット基本法則とはなにか
②自分を成長させる80の方法
③アウトプット力を高める7つのトレーニング
僕の個人的な感想ですが、②の80のエピソードよりも①のアウトプットの基本法則が、著者が一番言いたいことだと感じました。
『アウトプット大全』の構成をもう少し詳しく説明
3つのグループをもう少し詳しく説明します。
①アウトプット基本法則(第1章)
■1-1 アウトプットとは? アウトプットの定義
■1-2 自己成長とアウトプットの関係
■1-3 アウトプットとは運動である
■1-4 アウトプットの基本法則1〜4
■1-5 効果的なフィードバックの4つの方法
■1-6 アウトプットの6つのメリット
②自分を成長させる80の方法(第2章〜第4章)
自分を成長させる合計80の方法を3つのシーンに分けて解説しています。
【話す】 科学に裏付けられた伝わる話し方 №1〜30
【書く】能力を最大限に引き出す書き方 №31〜59
【やり切る行動力】 圧倒的に結果を出す人の行動力 №60〜80
③アウトプット力を高める7つのトレーニング(第5章)
そして最後にアウトプットの力を高める7つのトレーニング方法が紹介されています。
その1 日記を書く
その2 健康について記録する
その3 読書感想を書く
その4 情報発信する
その5 SNSに書く
その6 ブログを書く
その7 趣味について書く
最重要部分 第1章「アウトプットの基本法則」
個人的意見ですが、本書は第1章の「基本法則」が最も重要で、80のエピソードはそれらを踏まえて、それぞれのシーンで役立つ情報の紹介となっていると思います。
第1章の理解でこの本の8割を読んだといっても過言ではないと感じています。
ですから今回はこの上記の第2章以降の部分の説明は省略し、①第1章に書かれていることのうち重要だと思った部分をまとめてみました。
①インプットは脳内世界を変えアウトプットは現実世界を変える
僕自身、まずこの章の最初に「ああ、そうか!」と気付かされました。
僕は普段からビジネス書や心理学、哲学など自分の考え方や行動に影響を与えてくれそうなものに関心があります。そして、良い情報や新しい考え方に触れたとき、自分が少し変わったような気がして心が満足していました。
でも、学んだ内容は記憶から日に日に薄れていき、結局「いつもの自分」に戻っています。
インプットはとても大事な作業ですが、インプットだけでは現実的な変化は何一つ起きません。「アウトプットして初めて現実の世界に対して変化や影響を与えることができる」、と著者は言っています。
インプットとアウトプットがワンセットで、どちらか一方だけでは本当の理解には結びつかない、という基本原則に気付かされました。
②成長はアウトプットの量で決まる
「月に3冊の読書をする人」と「月に10冊の読書をする人」では「どちらが成長すると思うか?」と言う質問をされた時、ほとんどの人は本をたくさん読めばいろいろな知識が身に付くので「月に10冊読書する人」と答えるでしょう。
しかし、これが「月3冊読んで3冊アウトプットする人」と「月10冊読んでも1冊もアウトプットしない人」とでは、間違いなく「月3冊読んで3冊アウトプットする人」の方が知識を身に付くといいます。
成長はアウトプットの量に比例します。インプットだけではただの「自己満足」だと著者はいいます。
③アウトプットとは運動である
この本を読むまで、このような考え方をする事はなかったのですが、著者は「アウトプットとは運動」であると言っています。
なぜなら、アウトプットする時には「運動神経」を使い「筋肉」を動かしているからです。
アウトプットするということは、書いたり口の周りの筋肉を使って話すなど、どれも「運動神経」と「筋肉」を使っているということです。
このように運動神経を使った記憶は『運動性記憶』と呼ばれます。
運動性記憶の特徴は、一度覚えるとその後ほとんど忘れる事は無いということだそうです。
子供の頃自転車に乗れた人が、その後何年も自転車に乗っていなくても「自転車の乗り方を忘れた」という人はなかなかいませんよね。
④ 2週間に3回使った情報は長期記憶される
人間の脳は重要な情報を長期記憶として残し、それほど重要ではない情報は忘れるように作られています。
重要な情報とはインプットした後に何度も使われる情報です。
インプットしてもその情報を何度も使わないとすぐに忘れてしまうんだそうです。
大体の目安として、情報の入力から2週間で3回以上のアウトプットがあると長期記憶として残りやすくなるといいます。
覚えたことを忘れたくないなら、2週間の間に意識的に3回は「書く」、「話す」などのアウトプットをしてみましょう。
⑤インプットとアウトプットの黄金比は3対7
コロンビア大学の心理学者が、ある本を9分間で暗唱させ記憶の定着率について調べた実験について紹介されていました。
100人以上の子供たちをいくつかのグループに分け、覚える時間(インプット)と練習(暗唱)する時間(アウトプット)の割合を指示し、それぞれのグループの記憶の定着率を調べました。
その結果、最も良い結果を出したのが、覚えるのに30%の時間を費やしたグループでした。ただし、この割合は全年代にあてはまるのでなく、年少者はインプット40%、アウトプット60%だったそうです。
このことから、インプットが過剰にならないよう、インプットの時間の2倍近くをアウトプットに費やすよう、3対7の割合(初心者は4対6)を意識することが大切と書かれています。
⑥アウトプットの後には必ずフィードバックが必要
インプットもアウトプットをしているけどでも自己成長できない人は、フィードバックができていない可能性があります。
フィードバックとは、アウトプットによって得られた結果を評価し考慮して次のインプットに修正を加える作業です。
ただ闇雲にインプットとアウトプットを繰り返すだけではなくそこに「自分なりに考える」という行動が必要ですよ、ということですね。
「危険領域」ではなく「学習領域」から始めてみよう
エピソード65「チャレンジする1」では、チャレンジのしかたについて解説しています。
心には「快適領域」と「学習領域」そして「危険領域」という3つの領域があります。
「快適領域」の中では、安心感は得られますが自己成長はありません。
「学習領域」になるとワクワク感が増し、意欲的に学習をしようという気持ちになります。
「危険領域」になるとワクワクよりも不安や恐怖の方が前に出てしまい、やめたい、逃げたいという気持ちになります。
つまり、高すぎるハードルを設けると、学習領域を超えて危険領域に入ってしまい、チャレンジそのものをやめてしまう結果になるということです。
山登りをしたいならいきなりエベレスト(高すぎる目標)を目指すのではなく、最初は低い山(プチ目標)から登り、学習領域で達成感を味わいながら成長していきましょう。
まとめ
今日は、樺沢紫苑著『アウトプット大全』をご紹介させていただきました。
ビジネス書を読んでインプットをすることで「成長しているつもり」になっていた僕の目を覚まさせてくれた1冊です。
ノウハウコレクターのように、知識を得るだけでわかったつもりになっていたのが、いかに時間の無駄だったか、アウトプットこそが自分を成長させるということがよくわかりました。
自分なりにこの本のメッセージを一言でまとめると、「頭で得た情報はアウトプットで体に覚えさせよう」ということなんだと思いました。
今回アウトプットの方法をインプットしたので、僕の場合はこのブログを通してアウトプットしていきたいと思います。
気になった方はぜひ一度この本を手に取り読んでみてください。著者の樺沢さんほどじゃなくても、自分に合ったアウトプットの方法が見つかるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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