承認間近!アビガンとレムデシビルはコロナ期待の治療薬となるのか?アビガンはどうやったら処方してもらえる?

健康

最近、新型コロナウイルスの治療薬として期待されるものとして「アビガン」と「レムデシビル」という2つの薬の名前が新聞で見かけるようになってきました。

先日、新型コロナウイルスに感染したフリーアナウンサーの赤江珠緒さんが、アビガンの投与を受けて病状が改善した、というニュースもありました。

赤江珠緒がアビガンで改善 投与可否の理由明かす(日刊スポーツ)

今日は、アビガンってどうやったら処方してもらるのか?

最近、新聞で名前を見るレムデシビルってどうなの?

他にも期待される薬はあるの?

こんな疑問について調べてみました。

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アビガンは普通の病院では手に入らない薬

新聞では、アビガンの投与が新型コロナウイルスの治療に効果があるかも、とか政府が薬を備蓄していると報道されています。

ところが、クリニックや病院で「アビガン処方します」という話をあまり聞いたことがありませんよね。

なぜなら、アビガンは普通の病院では手に入らない薬だからです。

なぜ病院で処方してもらえないのか?

それは、アビガンがまだその効果や副作用がちゃんと明らかになっていない薬だからです。

効果があったと言っているのは中国で、日本ではアビガンの副作用「催奇形性」(奇形児が産まれること)についてまだデータを集めている段階です。

厚生労働省の見解は
非臨床試験・臨床試験ともに明確なエビデンスはないもの、中国で患者に投与され、効果があったとの一部報告がある。」
となっています。

厚生労働省

このような状態のため、メーカーが作った薬は、保管倉庫や取り扱える卸業者、使える病院までも完全に厚生労働省に管理されています。

あれだけ効果があるとうたわれていて、日本政府も効果を期待しているのになぜ慎重になっているのか

それは過去の薬害の歴史があるからです。

5月4日追記 ~5月中に承認されるかも

5月4日、安倍首相は首相官邸で記者会見を開き、アビガンについて「3000例近い投与、臨床試験が進んでいるので、有効性が確認されれば5月中の承認を目指したい」と述べられました。

薬害の歴史:サリドマイドの悲劇

薬の開発と副作用は表裏一体で、過去には副作用の大きさから薬害問題に発展した薬もありました。

例をあげるならサリドマイド薬害事件

サリドマイドは1950年代末から60年代初めに、世界の十数カ国で販売された鎮静・催眠薬です。

この薬を妊娠初期に服用すると、胎児の手/足/耳/内臓などに奇形を起こすことがわかりました。(催奇形性)。

サリドマイドの催奇形性により、世界で数千人~1万人、日本で約千人(死産を含む)の胎児が被害にあったと推定されています。日本では生存した309人の被害者が認定されています。(厚労省の資料より

アビガンはどうやったら処方してもらるのか?

アビガンの投与を受けるには要件を満たさなければなりません。

それは「観察研究に参加している病院」であること。

アビガンを処方することができる病院は、この「観察研究」に参加している病院だけに限定されています。

国は臨床データが欲しいので観察研究に参加してほしいと考えてますが、観察研究に参加するためには、3つの条件をクリアしなければいけません。

①病院の倫理委員会が、病院としてアビガンの使用を認めていること
②医師がアビガンの投薬に効果があると判断していること
③患者本人が(その副作用も含めて)同意すること

副作用の危険性などを考えると、賛成する人ばかりではありません。そこで上記の3つの条件をクリアしなければアビガンを処方することはできません。

もう1つの問題は、

仮に新型コロナ陽性となり入院治療となったとしても、患者は治療を受ける病院を選べないことです。

「もう年齢的にも子供は生まないので奇形児の心配はない」と処方してほしいと思っていても、、そもそもその病院が観察研究に参加しているかどうかはわかりません。

フリーアナウンサーの赤江珠緒さんのケースは、偶然、観察研究に参加している病院に入院していたので、アビガンによる治療方法を選択することができたと言えます。

もし、唯一アビガンを処方してもらえる可能性があるとしたら、自分の住んでいる地域の保健所に、コロナ治療のための入院ができる病院を確認して(混乱や風評被害を防ぐため教えてくれない場合もあります)、その病院がアビガンの観察研究に参加しているか聞いておくことくらいです。

レムデシビルってどうなの?

一方、最近はアメリカのギリアド・サイエンシズ社が開発した抗ウイルス薬「レムデシビル」が新型コロナウイルスの増殖を止めるという記事を見かけます。

ウイルスの増殖を抑える効果はアビガンと同じです。アビガンは錠剤なので口から飲みますが、レムデシビルは重症患者を対象に静脈注射で投与します。

レムデシビルの副作用は、肝臓の炎症や低血圧、吐き気、震えなどが起きる可能性があると言われています。

もともとは、エボラ出血熱の治療薬として開発された薬です。

ただ、世界中のどの国でもまだ未承認でしたが、どうやらアメリカで承認されるようです。

日本でも5月7日にも特例承認されそうな動きがあります。(読売新聞より)

ただし、日本が確保できる量は限定的になりそうで、処方できる患者数や病院がどうなるのかは今後のニュースに注目です。

今後期待できるかもしれない薬「オルベスコ(シクレソニド)」

他にも新型コロナウイルスの治療薬として期待できるかもしれない薬があります。

それが帝人ファーマ株式会社が開発したオルベスコ(シクレソニド)という薬。

オルベスコは気管支喘息の薬として国内で承認を取得している吸入ステロイド製剤で、国立感染研が実施した非臨床試験では新型コロナウイルスに対する抗ウイルス活性が確認されているそうです。

神奈川県立足柄上病院が、新型コロナウイルス感染症患者3名に投与したところ、症状が改善した症例(3例)を公表しています。

足柄上病院については、文芸春秋の記事に処方した病院の取材記事が書かれています。

【現場医師からの報告】新型コロナ肺炎を好転させたある既存薬の「効果」

まとめ

今日は、新型コロナウイルスの治療薬として期待される、アビガンの処方の現状5月7日に特例承認されそうなレムデシビル、さらに今後期待される他の薬について調べたことを書いてみました。

薬の開発は副作用や薬害と表裏一体で、夢のような治療薬はすぐに開発されるものではありません。

個人レベルでは、普段の生活の中で自己免疫を高めることしかできませんが、免疫力が低下している高齢者や病気の人にも効果がある薬が早く開発されることを願います。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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