昨日、フランスのヴェラン保健大臣が、ツイッターでこんなツイートをしました。
「コロナウイルスに感染したらイブプロフェンなどの薬を飲まないように」という内容です。
?? #COVIDー19 | La prise d'anti-inflammatoires (ibuprofene, cortisone, …) pourrait etre un facteur d'aggravation de l’infection. En cas de fievre, prenez du paracetamol.
— Olivier Veran (@olivierveran) March 14, 2020
Si vous etes deja sous anti-inflammatoires ou en cas de doute, demandez conseil a votre medecin.
フランス語なのでこれをグーグル翻訳で訳すと
抗炎症薬(イブプロフェン、コルチゾンなど)を服用することは、感染を悪化させる要因になる可能性があります。 発熱がある場合は、パラセタモールを服用してください。
すでに抗炎症薬を使用している場合、または疑わしい場合は、医師に相談してください。
他にもこんな記事がありました。
世界保健機関(WHO)は17日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の症状がある人は抗炎症薬「イブプロフェン」の服用を避けるよう勧めた。これに先立ち、フランスのオリビエ・ベラン(Olivier Veran)保健相はツイッター(Twitter)で、イブプロフェンは新型コロナウイルス感染症を悪化させ得ると指摘し、発熱した場合は解熱鎮痛薬パラセタモールの服用を勧めていた。
【3月18日 AFP】
時事通信では
【ベルリン時事】DPA通信などによると、世界保健機関(WHO)報道官は17日、新型コロナウイルス感染の疑いがある場合、医師の助言なしに抗炎症薬「イブプロフェン」を服用しないよう注意を促した。抗炎症作用の少ない「アセトアミノフェン」服用が望ましいという。
https://www.jiji.com/
そこで、イブプロフェンとアセトアミノフェンの入った市販の薬について注意したいことを調べてみました。
特に注意が必要なのは、「同じ名前の薬でも成分が違う場合があること」です。
コロナウイルスに感染しないことが一番ですが、こういったニュースをきっかけにして薬についても少し勉強しておきましょう。
イブプロフェンとは
イブプロフェンの作用と特徴についてエスエス製薬のHPの「薬の成分ディクショナリー」に解説があったので参照します。原文のままです。
作用と特徴
解熱薬や鎮痛薬として使われる成分の一つです。痛みや熱の原因物質であるプロスタグランジンの体内での合成を抑え、鎮痛、解熱効果を発揮する他、抗炎症作用もあります。頭痛や関節痛、生理痛の他、かぜによるのどの痛みの緩和や解熱にも使用され、解熱鎮痛薬としてだけでなく、総合感冒薬(かぜ薬)にも配合されています。
注意事項
痛みや発熱のもとを改善するのではなく、主に症状を一時的に和らげる対症療法として使われるものです。症状が改善しない時に漫然と使い続けてはいけません。人によっては胃腸障害、めまい、腎機能・肝機能の悪化が生じることがあります。副作用が疑われた時には服用を中止し医師や薬剤師にご相談ください。成分の重複を避けるため、他のかぜ薬や解熱鎮痛薬との併用に注意しましょう。
イブプロフェンの入った風邪薬
エスエス製薬では、イブクイック、エスタックイブなどがあります。
大正製薬では、パブロンエースPro錠などがあります。
アセトアミノフェンとは
同じように、アセトアミノフェンの作用と特徴についてエスエス製薬のHPの「薬の成分ディクショナリー」に解説があったので参照します。こちらも原文のままです。
作用と特徴
解熱・鎮痛薬成分の一つで、脳の体温調節や痛みを感じる中枢に作用することによって、熱を下げ、痛みを抑えるとされています。消炎(抗炎症)作用はほとんどありません。一般用医薬品では、総合感冒薬(かぜ薬)の他に、小児用の解熱・鎮痛薬や小児用かぜ薬に解熱・鎮痛成分として配合されています。
注意事項
痛みや発熱の原因となっている病気を治すのではなく、症状を一時的に和らげる対症療法として使われるものです。症状が改善しない時に漫然と使い続けてはいけません。人によっては皮膚のかゆみ、肝機能の悪化が生じることがあります。副作用が疑われた時には服用を中止し医師や薬剤師にご相談ください。
小児では、製品の使用年齢や用法を確認の上、保護者の監督のもとに使用してください。
出典:エスエス製薬HP「アセトアミノフェンとは」より
アセトアミノフェンの入った風邪薬
エスエス製薬では、エスタック総合感冒、エスタック顆粒があります。
大正製薬では、パブロンSゴールドW錠などがあります。
お気づきかも知れませんが、エスタックもパブロンも、さきほどイブプロフェンが入った薬として名前があったはず。しかし同じ商品でもアセトアミノフェンを含んだモノもあるのです。
同じ商品名でも成分が違うので注意が必要
薬を選ぶときには、同じ会社の同じ薬品名でも成分が違うことがあるので注意が必要です。
たとえば、大正製薬の「パブロン」。
「パブロンエースPro錠」はイブプロフェンが主成分ですが、「パブロンSゴールドW錠」はアセトアミノフェンが主成分となります。
イブプロフェンが主成分 パブロンエースPro錠
イブプロフェン | 200mg |
L-カルボシステイン | 250mg |
アンブロキソール塩酸塩 | 15mg |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 8mg |
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 | 20mg |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 2.5mg |
リボフラビン(ビタミンB2) | 4mg |
アセトアミノフェンが主成分 パブロンSゴールドW錠
アンブロキソール塩酸塩 | 15mg |
L-カルボシステイン | 250mg |
ジヒドロコデインリン酸塩 | 8mg |
アセトアミノフェン | 300mg |
クロルフェニラミンマレイン酸塩 | 2.5mg |
リボフラビン(ビタミンB2) | 4mg |
このように同じ薬だと思っていても成分が違う場合があるので、くれぐれも勘違いしないよう、 製薬会社のHPで成分を確認したり、薬局で成分を聞いてから買うようにしましょう。
製薬会社の商品情報サイトで成分確認をしよう
製薬会社HPでは成分別で商品を検索することができる場合があります。
たとえば、大正製薬の商品情報サイトなら成分によって商品を検索できます。
成分名で検索するとその成分を含んだ商品がリストアップされます。
フリーワードの欄に成分を入力してみます。
『イブプロフェン』で検索した場合の例
イブプロフェンと入力するとこんな検索結果の画面が表示されます。
この他にも商品があり、リスト化されて表示されます。
『アセトアミノフェン』で検索した場合の例
こちらはアセトアミノフェンの検索結果です。
さきほどと同じです。リスト化されて表示されるので、スクロールして確認してみてください。
まとめ
今日は、コロナウイルス感染者に対してイブプロフェンを使わないほうがよい、というニュースを見て、イブプロフェンとアセトアミノフェンの薬の選び方について気をつけることを書いてみました。
「商品名が同じでも成分が違う」ということがあるので、くれぐれも勘違いしないように注意しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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