『アイデアの作り方』(ジェームズ.W.ヤング著)の要約と解説「2つの原理と5つのフェーズ」

読書・書評

みなさんは、仕事や学校などいろんな場面でアイデアを出さなければいけない、という経験したことはありませんか?

「何か企画を考える」ことになって会議でいろいろ話したり、考えたりしても、なかなかすぐに名案は浮かびません。

そんな時はただ偶然を待つしかないのでしょうか

今日はどうやってアイデアが生み出されるのか、アイデアの作り方について解説した本をご紹介します。

広告業界のレジェンド的存在の著者が書いているので、基本的には広告業界の方に向いている本かもしれませんが、いろいろな場面で適用可能だと思います。

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『アイデアの作り方』が30年以上売れている理由

アイデアの作り方』は、初版が30年以上も前の古い本もかかわらず、その後74回も増刷されています。

何よりも驚くのはこの本の薄さです。

本編はたったの62ページ!

その後の解説と訳者のあとがき全部合わせても100ページちょっとです。
なので1時間もあれば読めてしまう薄い本です。

なぜ、このわずか100ページ足らずの薄い本が30年以上もの間売れ続けているのでしょうか?

それは、そこに書かれていることが現代でも通用する「普遍的なこと」だからだと思います。

『アイデアの作り方』の著者は何者?

著者のジェームズ・ウェブ・ヤングさんは、アメリカ最大の広告代理店・トンプソン社の常任最高顧問、アメリカ広告代理業界の会長などを歴任、広告審議会の設立者でもあるという広告界のトップを走ってきた方です。

2つの原理とアイデアが生み出される5つのフェーズ

本書にはアイデアの「2つの原理」とアイデアが生み出される「5つの方法」が書かれています。
5つの「方法」と書かれているのですが、読んでみると僕には「方法(HowTo)」ではなく「段階(Phase)」だと思えたので、あえて「フェーズ」と表現します。

アイデアが出来上がる過程は決まっている

そして、アイデアは生まれるまでに「一連の流れ」で作られ、この順序でなければすぐれたアイデアは生まれない、主張しています。

内容自体は簡単なことで、その技術を習得すれば誰でもできるのに、誰もがそれをやり切っていないのでアイデアが生まれないとも言っています。

誰もがやり切らずに、途中でやめてしまうのは、「たくさんの知的労働」が必要だからです。

アイデアの2つの原理

①アイデアとはすでにあるものの組みあわせ

②あるものを組み合わせるには「物事の関連性を見つける力」が必要。

アイデアが生まれる5つのフェーズ

上記のアイデアの2つの原理をおさえたうえで、アイデアが生まれるフェーズとは次の5つだと著者は言っています。

  • ①フェーズ1 資料集め
  • ②フェーズ2 資料の咀嚼
  • ③フェーズ3 孵(ふ)化
  • ④フェーズ4 アイデアの出現
  • ⑤フェーズ5 アイデアを具現化する

では、一つずつ簡単に解説します。

フェーズ1「資料集め」とは

アイデアを生み出す前に、対象にしているもの(例えば広告しようとしている製品)についての資料や情報を集めます。
ただし、そこでは普通一般的に調べる程度ではなく、徹底的にとことん調べます。

たとえ多くの人がそのことについて他との違いがわからなくても、その違いを説明できるほどまで詳細に調べて情報を集めます。

フェーズ2「資料の咀嚼」とは

集めてきた資料を一つ一つ手に取って、それらパーツをどう使えるのか考えます。どういう使い方ができるのか、どんな組み合わせで使うと効果があるのか、など考えられる限り考えます。

単純に「なんかいい方法ないかな~」くらいではなく、考えて考えて考えて疲れ果てるまで考えます。

次に著者のヤングさんはそこでこう書いています。

やがて諸君の頭の中はごちゃごちゃになり絶望状態になる

は?どういうこと?と思いますが、その意味するのは
考えつくした状態」である、ということです。

いろいろ考えまくったのに何も答えが見つからない。
そんな疲れ果てる状態まで考えろという意味だと解釈しました。

フェーズ3「孵(ふ)化」とは

この第3のフェーズになると直接的には何も努力しないことになります。

状態的には、フェーズ1で食材を集め、フェーズ2で料理して食べて、いまフェーズ3で「消化している状態」にあたります。

このフェーズでは、それまで考えてきたアイデアに関する問題を完全に放棄して、自分の想像力や感情を刺激するものに夢中になることが大切と書いています。

音楽を聴いたり劇場や映画に出かけて小説を読んだりして、一旦そこから離れて違うことに目を向けます。

フェーズ4「アイデアの出現」とは

フェーズ3までを正しく進んできたら、フェーズ4を経験することは確実だと著者は言います。

このフェーズ4がアイデアが到来する段階なのですが、アイデアは突然やってくるんだそうです。

いつもそのことを考えながら過ごしていると、期待していないふとした瞬間にアイデアが降ってくる。

アイデアはそんな風に突然やってくると著者は言います。

フェーズ5「アイデアを具現化する」とは

フェーズ4で生まれてきたアイデアは必ず「人の目にさらす」というプロセスを経なければなりません。生まれてきたアイデアを「決して自分の胸にしまい込んではいけない。」と書いています。

その理由は次の通りです。

  • 良いアイデアは自分で成長する性質を持っている。
  • 良いアイデアはそれを見る人々を刺激し、その刺激によって人々がそのアイディアに手を貸してくれる。
  • 自分が見落としていたアイデアの持つ可能性を見出して可能性が満たされて明るみに出ることになる。

アイデアは意識的には作れない

アイデアが生み出される状況をまとめてみると、意識してできること無意識にしかできないことに分かれることがわかります。

5つのフェーズのうち、①と②および⑤は意識的活動③と④は無意識的活動です。

意識的活動はコントロール可能ですが、無意識的活動はインスピレーションなど、あるいみ「運」にまかせるしかありません。

ただ、無意識レベルまで情報を落とし込むことができれば、高確率でアイデアが到来することになります。

まとめ

今日は、アイデアの作り方という本について、自分なりに要約と解説をしてみました。

  • アイデアは、その原理を知ったうえで5つのフェーズを経て生み出される。
  • アイデアは、とことんまで考えて無意識になってようやく思い浮かぶ。

言っていることは簡単だけど、とことんまでやるのは難しいので多くの人が途中でやめてしまう。

「とことんまで考えた先に結果がついてくる」というのはあらゆることに通じる普遍的なことですが、やはり簡単ではありませんね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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コメント

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